保育計画

保育指針は“ 環境を通して行なう教育” が幼児期の教育の基本であると明確にしています。このことは、乳幼児期の発達の特性に即した主体的な生活を大切にした保育を展開することを示したものといえましょう。う。乳幼児の生活は、『遊ぶこと』を中心とした活動や、着替え、片付けなどのような、日常の生活行動と呼ばれる活動が密接に絡み合って展開されていきます。このような生活が、乳幼児の興味や意識の流れ、必要感などによって連続的に営まれていくときに、そこで得た様々な体験がはじめて乳幼児の発達を促すうえで意味のあるものとなります。
 具体的な保育の営みは、このような乳幼児にとって意味のある生活の自然な流れを大切にしていかなければならないでしょう。

 

●発達を捉える視点を持つ

 一人一人の着実な発達を促すためには、何よりもまず乳幼児の生活する姿から発達を捉えることが必要です。具体的な生活の中で、興味や遊びの傾向がどのように変化しているのかを見ていくことで、発達する姿を読み取ることができるでしょう。しかし、ただ漠然とみているだけでは変化は見えてきません。何を見ようとするのか視点をはっきりと持つことが大切です。一般的には、○ 興味や関心、○ 遊びの傾向、○ 友達とのかかわり、を視点とすることが多いようですが、保育目標や指導の重点を踏まえて視点を持つようにすることが必要になると思います。 

●生活を共にする中で

発達する姿は外側から眺めているだけで捉えることはできません。保育者が乳幼児と生活を共にしながら、何に興味があるのか、何を実現しようとしているのかなど心の動きを感じ取っていくことが必要です。乳幼児の見方や考え方を受け止めながら、それぞれの時期に育てるものを明確にしていくことが大切だと思います。

●伸びる芽や良さを捉える

一人一人の発達は、今育とうとしている芽やその子らしい良さを捉えて支えていくことによって促されます。これまでは保育者の目が、問題点などのマイナスの面ばかりに向けられる傾向があったように思います。保育者の見方をプラスの方向に変えて、その子らしい行動のしかたや考え方を大切にしながら支えていこうとする姿勢を持つことが保育の基盤として必要なことではないでしょうか。

 
 保育計画の中心は、乳幼児自身が発達に必要な経験を積み重ねていけるような状況( 環境) をどのようにして作り出していくかを考え出していくことにあります。発達する姿や生活の流れに応じて、材料や遊具、用具などをどのようにしたらよいかを考えることや、自然の変化に興味や関心を向けたり身近な物や出来事などが乳幼児の生活に意味を持つようにすることが大切なのです。さらに、子ども同士のコミュニケーションを図ったり、活動を広げたり深めたりするために必要な情報を提供したりすることも欠くことができないでしょう。
 乳幼児の興味や意識の流れ、必要感、あるいは生活の必然性などを大切にして環境を作り出していくことが園生活の自然な流れを生み出すことになります。この際、乳幼児の興味や欲求、感じ方などを理解した上に、保育者の見通しをもった願いを重ね合わせていく必要があることは言うまでもありません。

●コミュニケーション能力を育てる

これからの社会においては今までより以上に人と人とがかかわり合い支え合って生活することが大切になってくるでしょう。そのためには、乳幼児期に人とかかわる力の基礎を十分に育てることが必要となってきます。こうした力は、温かい人間関係の基盤なくして育てることはできません。また、人と人とのコミュニケーションのために重要な手段となる『ことば』も温かい人とのふれあいの中で、十分に聞いたり話したりする体験を重ねる中で育っていきます。保育園の生活では、子どもたち同士あるいは保育者と子どもが相互に交流し合う場を作り出し、人と人とが支え合って生きる大切さや喜びを十分に味わえることが期待されていると考えます。

●生活に必要な習慣、態度を育てる

保育園は生活に必要な習慣、態度を身につける場として役割がますます重要になっています。しかし、生活習慣や態度は、単にある行動様式を繰り返し行なわせることによって、身につくものではありません。乳幼児期は周囲の行動をまねながら自分でやろうとする気持ちが芽生えてくる時期です。乳幼児同士がかかわりながら楽しく生活する充実感を十分に味わせながら、生活に必要な行動に気づかせ、自分もやろうとする気持ちを高めることが大切なのです。そして、保育者は乳幼児が自分でやろうとする行動を見守ったり励ましたり手助けをしたりしながら、自分でやれたという満足感、充実感を味わうようにすることが必要なのです。生活に必要な習慣や態度が本当に身についたものとするためには、温かい人間関係を基盤とした指導が行なわなければならないと思います。

●豊かな心を育てる

これからの社会で何よりも求められるのは、心の豊かさでしょう。乳幼児期は、一生の中でいちばん感性の豊かな時期と言われています。乳幼児期に周囲のものの美しさ、不思議さ、優しさなどを感じ取っていく体験を積み重ねていくことが、豊かな心を育てるうえで欠くことができません。そのためには、豊かな自然環境や人とのふれあいが必要であることは言うまでもありませんが、それ以上にそれらを受け止める保育者の心の動きが大きな影響を与えることを、心に留めておかなければならないと考えます。

以上の基本方針を踏まえ、一人一人の個性を伸ばしていけるように、平成27年度の保育目標は、『一人一人の着実な発達を促すために』に重点をおいて行なってみたいと考えています。

 そこで、子どもを主体とした遊びや生活の充実を計るため、『選択保育』、『合同保育』、『朝の体育』、『給食バイキング』、『各種行事』の計画を十分に検討していくための時間をつくり、より良く楽しい保育内容にしていきたいと考えています。
 また、最近家庭では“手伝いをさせる”ということが少なくなってきていますが、年齢に応じた手伝いをさせるということは、とても大切なことなので、今年度の保育目標の大事な役割を果たしてくれると思います。

■手伝いの重要性
  • 手伝いは連帯感をつくり、やさしい心を育てます

  • 誰かに何かしてあげる喜び、うれしさを知ります

  • 無償でやることの大切さを身につけます

  • いろいろな経験により、知的発達を促します

  • 人とのかかわりができ、多様な人間関係を経験します

  • よく気がつくようになり、気配りが身につきます

  • 手伝いをしてほめられると、自信とプライドが育っていきます

 このようなことを身につけていけるように“手伝い”を生活の中に上手に取り入れていきたいと思います。
 加えて、昨今子どもたちの問題として、『いじめ』『登校拒否』『自殺』『非行』など、様々な問題がありますが、こうした問題にも幼児期からの人間形成が重要であり、その問題に対しても“手伝い”はとても大きな役目をしてくれています。
 以上の事柄を保育の基盤とし、保育者同士連帯感をもち、子どもたちにやさしい心で接し、安心して伸び伸びと生活や遊びができるようにしていきたいと考えています。

 その他には、ランニングやスイミングスクールなどの体力づくりも、続けていくことは、もちろんですが、マット運動や鉄棒、なわとび、ボール、走り方などの運動も保育の中に取り入れて行なっていきます。
 幼児期になぜ運動遊びが必要かと問われると、必要なことは分かるが漫然としていることが多いようです。健康が単に身体の健康のみを目指していないことと同じように、運動も単に運動が上手でありさえすればよいというだけでなく、教育としての在り方、運動遊びを手段とした全人としての教育=円満な人間形成を目指した運動でなければならないと考えます。そして、運動遊びは身体をダイナミックに動かすことを主体とした内容でするということから、他の領域とは異なった要素が含まれるため、また独自な必要性や目標が生まれたりすると思われます。特に幼児期は心身の発達の著しい大切な時期でもあり、また自己統制が十分でないので、周囲の指導や環境により、その発育、発達に大きな影響が考えられます。その意味からも、運動遊びの指導の必要性と目的をしっかり把握して、指導に当たっていきたいと考えています。

 さらに、音楽面に関しては、子どもたちと一緒に、音楽性が育つには少なくとも3つの原則があります。

 原則の第一は、子どもたちが主人公になれる、歌や音楽ということです。誰かのために歌ったり、やむを得ず歌ったりするのでは、義理人情を育てることにはなっても、音楽性が育つことにはなりません。これはぼくの歌だ、わたしの音楽だという共感あっての音楽性なのです。
 原則の第二は、子どもたちが生活し成長している、現実に根をおろした歌や音楽、ということです。ですから、育つ土台となる現実を、歌でも確かめたり確かめ直したりしながら個性豊かに表現できるわけです。
 原則の第三は、うたいたくなってうたうのが、歌だということです。うたいたくないときにうたわされるのは、大人にとっても子どもにとっても、拷問みたいなものです。うたいたくなる保育、うたいたくなる環境、うたいたくなる人間関係づくりが、どうしても必要になります。歌いたくなってこそ、歌や音楽が人生を生き抜く力になると思います。そして今年度の音楽教育も、普段の保育の中での楽器の使用頻度を増やし、音感教育も行ないたいと考えています。

 そして今年度も、リトミックを行います。今年度より、担当の先生がリトミック研究センターの青森支局長が担当してくれることになり、回数も月2回になりました。やり方を参考にしながら模倣したり、また、音楽教育も普段の保育の中での楽器の使用頻度を増やして、音感教育も行いたいと考えています。

 また、今年度も『朝の体操』を引き続き行います。各保育士が自分の好きな曲に創作体操を自ら考え、月ごとに交代して各クラスで行います。ただ、以前は毎朝行うことに負担を感じられるようになり、やめてしまったので、その点を反省し、無理のないように忙しい時期や行事で負担になったときは、休むことも考え、無理強いしないようにしたいと考えています。
 
クラス年齢別 指導計画

クラス

年齢

指導計画

さくら

5歳

仲間と共に目的を達成していく喜びを味わい、自覚と自信を持って集団生活をする

ゆり

ひまわり

4

3歳

友達と協力する楽しさを体験する中で、思いやりや助け合いの気持ちを深めていく

生活に必要な基本的生活習慣が身に付き、進んで行うようになる

すみれ

2歳

保育者との信頼関係のもと思いや欲求を表し、情緒の安定を図る

つくし

1歳

安心できる保育者との関係の中で基本的生活習慣を獲得する意欲を持つ

ひよこ

0歳

安全な環境の中で、ひとりひとりの生理的欲求や依存欲求を満たす

また、今年度も、問題になっている、『子ども虐待』について父母の方々や子どもたちのようすなどを、注意しながらみていきたいと考えています。虐待というと、殴る、蹴る、投げ落とすなど、身体的な暴力による場合を考えやすいのですが、現在は、身体的暴力による場合(身体 的虐待)だけでなく、あきらかな暴力を伴わない「ネグレクト」(不適 切な養育、放置適切な保護の欠如)や「心理的虐待」なども、子ども虐待に含めて考えるのが一般的です。虐待を受けた子どもは、ときに死亡したり、永続的な障害を残したり、あるいは心理的な外傷経験となって、 後年心理的問題を生じることも、まれではありません。 

■虐待を受けている子どもからのサイン
  • 成長、発育の遅れ(栄養不良、顔色が悪い、腹部は膨張、腎部はしわだらけ)

  • 服装が粗末(何人かの子どものうち、一人だけの時もある)

  • 身体の不潔(風呂に入れない、髪は結わない、汗や尿の匂いがする)

  • 顔つきがぼんやりし、動作がのろい(一見、知恵遅れのよにもみえる)

  • 反射的に手や腕をあげて、頭や顔をかばう

  • 痛いことがあっても、無表情、無反応で泣きも叫びもしない

  • ひっそりと相手を見つけていたりする

  • 口腔の衛生状態が悪い(ひどい虫歯、折れたり欠けたりしている歯がある)

このような、子どもからのサインを早期に察知し、園でも保護者の子 育て負担やストレス軽減のため、保護者の必要に応じて、話がいつでも 出来るように対応していきたいと思っています。

■幼児虐待の背後にある課題として
  • 子どもの生理や生活リズムの知識が乏しい(対処の仕方がわからない)

  • 父親からの精神的支えが得られない(夫婦関係の希薄)

  • 父親の育児不参加(母親の負担が多い)

  • 子どもを抱くことやあやすことを知らない

  • 子どもの成長発達のレベルを超えた無理な要求をする

  • 母親の時間がとれずストレスがたまる

  • 核家族で育児不安やノイローゼに陥る


親への援助では、その子の親と信頼関係を築き、よき相談相手となり、 そして原因ともなりうることに対して、一つずつ対応し親の悩みをカウンセリングし、同時に育児知識や技術の伝授や子どもを受容できるような関わりを持てたらと考えています。 

■子ども虐待に対する保育園の役割 
 子ども虐待への対応は、すべての証拠が集まり、虐待であることが確実になってからではなく、疑いを持った段階から考えなければならないと思 います。虐待の疑いを持ったら、まず保育園の中で事例検討を行ない、問題の確認と職員の共通理解を持つようにします。経過を見ていくだけでは不十分と思われる場合、つまり生命に危険が感じられる場合や子どもの状態が悪化していく場合保護者との対応に苦慮する場合などは児童相談所に相談、通告します。 
 子ども虐待に対する保育園の機能としては、虐待の発見とともに保護的な環境のもとで、子どもの生命、発達を保障しなければなりません保育園を利用することで、親子が別々に過ごせる時間をつくり、子どもが安心感や安全感を持ちながら生活できるようにします。 また、親子とのかかわりにおいては、保育園はあくまでも保護者と子どもの味方の立場を取り、特に保護者と対立するようなことは児童相談所の方にまかせるようにする。保育園に通ってくることが大事で保護者が保育園を避け、子どもを通わせなくなったときには危険が大くなります。家庭 及び地域の養育力が低下しているこんにち、保育園での子育てのための支援活動が、子ども虐待の予防となるように、日々努力したいと考えています。
 さらに、目標のためには引き続き、保育者自身の資質向上が望まれます。 保育者に求められる資質の第一は、なんといっても、子どもとともに毎日の生活を過ごすこと、子どもひとりひとりの成長に重要な役割を果たしていることに、大きな喜びが感じられることだと思います。このような保育者であれば、その保育者が存在するだけけで、クラスが明るく活気に満ちたものになるでしょう。子どももそのような保育者の姿を目にするだけで ひとりでに心が安定し、生活の喜びや活動意欲が高まってきます。「もっとよい保育にしたい」という向上心や研究心も結局は保育者であることの喜びから生まれてきます。

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